IPアドレスを使った広告のせいで何を調べたか分かる問題について

目次

概要

Web広告の種類のひとつにターゲティング広告というものがあります。これは、一人一人のユーザーに合わせた広告を表示するというものなのですが、ターゲティング広告に利用しているデータに問題があるせいで、どのようなことを検索したのか、関心があるのかという情報が家庭内などにばれてしまうという問題があります。

ここでは、その問題について私が思うことを書きました。

広告に使う情報

Web広告の代表的なものにターゲティング広告があります。これは過去の利用者の行動などに応じて広告をカスタマイズして、よりクリックしてもらえるような広告を表示するというものです。ターゲティング広告は、一人一人の利用者に合わせた広告なので、広告としての効果がとても高いです。

ターゲティング広告に使われる情報について、過去には、ブラウザのCookieなどを利用して過去にアクセスしたページなどを収集していました。しかし、この方法には問題があり,これは少ない履歴だけではたいしたことはないのですが、数ヶ月、数年と情報を蓄積していくと、どのような人格の人であるのか、過去から現在の関心の変化はどのようなものなのかなど、かなりプライバシーに踏み込んだ情報となってしまいます。

そこで、近年のブラウザではこのようなCookieの利用を制限して、プライバシーに配慮したものに変化しています。そのため、現在はCookieとは異なる情報でターゲティング広告を運用していることがほとんどです。

そのようなターゲティング広告の利用に用いられているのがIPアドレスです。

IPアドレスを利用したターゲティング広告における問題

IPアドレスは、インターネットを利用する上でそれぞれの利用者に割り当てられる識別子のようなものです。そのため、どの利用者も必ずIPアドレスを持っています。このIPアドレスは、必ずしも利用者一人一人で異なるわけではなく、例えば同じルーターを利用しているような家庭内ではIPアドレスを共有しているということが多いです。

つまり、家庭内で通信している人たちは、ターゲティング広告では一人として認識してしまうということにないます。

これによる問題として、Aという人が調べた情報に関連した広告が、同じルーターを用いているBという人にも広告が表示されると言うことです。

仕組み上、仕方ないことではありますが、これが例えばAという人がBという人にプレゼントしたい内容を検索していた場合などに、秘密にしたいのにそれに関連した広告がBに表示されると言うことです。

これはとても困ります。

解決方法

IPアドレスがないと、インターネットで通信をすることができません。これを利用するターゲティング広告の場合、完全に今回の問題を防ぐ方法はありません。

一応、問題の解決方法というよりも緩和方法があります。

それぞれの利用者がVPNやプロキシを利用して家庭内などのルーターやWi-Fiを共有する人たちでIPアドレスを変えるという方法です。しかし、これではVPNでIPアドレスを共有している人たちで広告が共有されてしまうという問題がありますが、それは秘密にしておきたい相手ではないということで、妥協する必要があります。

思うこと

IPアドレスを利用する方法は、回避しようがありません。だからといって、昔みたいなターゲティング広告もプライバシーを侵害されているようで、とても嫌です。

広告自体は、ビジネスモデルのひとつとして優れているとは思うのですが、もっと利用者に配慮したものにならないかと思います。