概要
自宅にQNAPのTS-253DというNASを置くことにしました。
NASの購入
これまで、Dropboxなどのクラウドストレージで大事なファイルの保存やデバイス間でのファイルの共有などをしていましたが、自宅に置くNAS(Network Attached Storage)を購入することにしました。
なぜNASを購入することにしたのかというと、保存できる容量の増加とアカウントの凍結防止のためです。もともとDropboxでは、2TBのプランを契約していたのですが、そろそろその容量では足りなくなってきました。また、Dropboxの安全性について調べていると、アカウントが凍結された際に凍結が解除されずに困っているという投稿が確認されており、もしもデータがDropboxにしかない場合に、二度とアクセスできないという可能性が出てきました。これについては、ファイルをどこか別の場所にバックアップしておけば良いという話ではあるのですが、正直なところ面倒です。
そこで、保存できるストレージの容量を増やし、アカウントがバンされないために、NASを利用することにしました。
NASに要求することは、ファイルを保存してパソコンやスマホから利用できるということです。できるのであれば、自宅のネットワーク以外からもファイルにアクセスできればさらに良いです。
そのような観点からNASについて調べて、私はQNAPのNASを導入することにしました。QNAPのNASを導入した理由は、Qsirchというファイルの全文検索ができるソフトウェアを導入することができたからです。Qsirchでは、WordやExcelなどのOfficeファイルの内容を検索でき、さらに画像であればOCRを用いた検索も可能とします。このQsirchがあれば、ファイルがどこにあるのか検索によって探し出すことができ、とても便利です。
Qsirchはあらかじめファイルをインデックスしておくため、Qsirchを利用する場合にはNASのスペックの高い方がスムーズに動作します。そのため、エントリーレベルのNASではなく、それなりに性能の良いNASを導入することにしました。そこで購入したのが、2020年に発売されたTS-253DというNASです。2023年に購入したということで、価格が安くなっていたのが購入の決め手です。
NASを導入して
実際に購入して利用してみると、QNAPのNASは設定が分かりにくいという前評判の通り、セットアップに苦労しました。特に、用語が分かりにくく設定箇所も多かったので設定の時に混乱しました。人によってはこの部分で利用したくないと評価が分かれるかもしれません。
しかし、一度設定を終えてしまえば、元々のマシンスペックが高いからか快適に動作します。ちなみに最初だけは、ファイルがたくさんある関係でQsirchのインデックスに時間がかかってしまい、その間はCPUの使用率が高いため、少し動作がもたついたので注意が必要です。
私がNASで利用しているHDDはSeagateのIronWolf 4TBです。RAID1で冗長化をしています。ちょっとした罠ではあるのですが、QNAPのNASでは、スナップショットと呼ばれるファイルの修正履歴をもつ機能があり、それを使うと搭載したHDDの最大20%程度の容量を使うことができなくなります。スナップショットは設定した時間間隔での修正履歴であり、ランサムウェアなどの攻撃を受けた際に、ファイルを復元できる可能性があるため、QNAP公式では設定することをおすすめしているのですが、注意が必要です。
NASを使ってみて、不満はほとんどありません。強いてあげるのであれば、DropboxやGoogle Driveのようなクラウドストレージよりは、使い勝手が悪いです。具体的には、Samba(smb)を使ってデバイス間のファイルの共有しているのですが、この接続方式は自宅のネットワーク内でしか利用できません(VPNを使うという方法もありますが面倒)。NASを繋いでいる自宅のネットワーク以外のところからのアクセスでは、安全に自宅のNASへ繋ぐためにQNAPのmyQNAPcloudという中継サービスを利用して、スマホアプリやブラウザからファイルを確認しているのですが、動作は少し遅く使い勝手が悪いです。しかし、これについては、NASを利用することを決めた時点で覚悟していた部分であるので、それほど不便と感じていません。そういうものだと割り切っています。
もしも、この点が気になるのであればNASを使うのはあきらめた方が良いでしょう。
さいごに
これまで、Dropbox等のクラウドストレージに定期的に課金をしていましたが、NASにしてからは、HDDの交換などで費用がかかるという程度で、定期的な出費がなくなりました。
NASを長く使うということであれば、クラウドストレージよりも安く済むので、最初の出費を我慢でき、不満がないのであれば、導入することをおすすめします。