Anacondaを利用したWindowsにTensorflowをインストールする方法

目次

概要

Anacondaを利用してWindowsにCUDAの環境を含めてTensorflowをインストールしました。

環境

  • Windows 22H2
  • Python 3.10
  • Tensorflow 2.10

WindowsとTensorflow

機械学習の深層学習をするときの方法のひとつとして、Tensorflowを利用した方法があります。さらに、TensorflowではNVIDAのGPUを利用してCUDAやcuDNNを用いた高速な深層学習ができます。

私はNVIDIAのGPUを利用しているため、深層学習時にCUDAを学習を高速化しつつ、Tensorflowを利用しています。

Tensorflowのバージョン2.11以降では、WindowsでCUDAの高速化ができなくなっています。これは、Tensorflowの方でサポートがなくなってしまったためです。Windows以外のLinuxでは、これまでと同様にCUDAを利用できます。

Windowsで2.11以降のTensorflowでCUDAを利用する方法はあります。WSL2で用意したLinux環境上で使う方法で、公式で推奨されている方法です。しかし、純粋にWindowsだけで完結しているわけではなく、なぜか私がWSL2にTensorflowなどをインストールして使おうとしたら、エラーが発生してうまくいきませんでした。

WSL2でTensorflowインストールに失敗したのでWindowsにAnacondaをインストールした

そこで、現在でもWindowsでCUDAが使えるTensorflowの2.10をインストールして、深層学習ができるようにする方法を紹介します。

インストール

私は今回、Anacondaを利用して、Tensorflowをインストールしました。Anacondaを利用する理由は、CUDA ToolkitやcuDNNなどを含めてインストールが簡単だからです。

CUDA ToolkitやcuDNNは、CUDAの利用や深層学習時に利用するパッケージです。TensorflowでCUDAを利用した深層学習を行うのであれば必須です。

最初に、Anacondaをインストールします。

Anaconda | Anaconda Distribution

Anacondaをインストールすると、Anacondaを利用するためのターミナル環境も一緒にインストールされます。

ここからは、そのターミナルを利用して操作していきます。スタートメニューなどから「Anaconda Powershell Prompt (anaconda3)」を起動します。

次に、Pythonの仮想環境を利用して、仮想環境上に、特定のバージョンのTensorflow環境をインストールします。

仮想環境の作成のために次のコマンドを実行します。

conda create -n tf210 python=3.10 anaconda

ここでは、tf210という名前で仮想環境を用意しました。この仮想環境にTensorflow 2.10とCUDAの環境をインストールします。仮想環境の切り替えをします。

conda activate tf210

インストール可能なTensorflowのバージョンは次のコマンドで確認可能です。

conda search tensorflow

...
tensorflow                    2.10.0 eigen_py310h1d93ef9_0  pkgs/main
tensorflow                    2.10.0 eigen_py37h0b514e4_0  pkgs/main
tensorflow                    2.10.0 eigen_py38h465b00b_0  pkgs/main
tensorflow                    2.10.0 eigen_py39hfced716_0  pkgs/main
tensorflow                    2.10.0 gpu_py310h4d27e69_0  pkgs/main
tensorflow                    2.10.0 gpu_py37h5d22f32_0  pkgs/main
tensorflow                    2.10.0 gpu_py38h51559ff_0  pkgs/main
tensorflow                    2.10.0 gpu_py39h9bca9fa_0  pkgs/main
tensorflow                    2.10.0 mkl_py310hd99672f_0  pkgs/main
tensorflow                    2.10.0 mkl_py38ha5c4042_0  pkgs/main
tensorflow                    2.10.0 mkl_py39ha510bab_0  pkgs/main

今回インストールするのは、GPUを利用した深層学習ができるTensorflowです。その場合は、次のようにバージョンを指定して、インストールします。

conda install tensorflow=2.10.0=gpu_py310h4d27e69_0

gpu_py310h4d27e69_0の部分は、CUDAの環境を含んだPython 3.10ということを表しています。もしも別のPythonバージョンを利用する場合は、py39やpy38のものを記述してください。

これで、Tensorflow2.10やCUDAやcuDNNなどの深層学習をするうえで必要なパッケージ全てをインストールできました。

利用方法

インストール後、Tensorflowを利用するときは、今回用意した仮想環境に切り替えてからPythonのコードを実行します。

conda activate tf210

私は、Jupyter Labを利用してPythonのコードを実行しているので、最初にJupyter Labをインストールしました。

conda install jupyterlab

その後は、Jupyter Labを起動してPythonのコードを実行して深層学習などをします。

jupyter lab

さいごに

Anacondaを利用して、Windowsに深層学習の環境を用意しました。Anacondaを利用すると、CUDAやcuDNNなどのGPU利用に必要なパッケージもまとめてインストール可能なので、とても便利です。

私は、元々WSL2上にTensorflowなどをインストールしようとしましたが、エラーが発生してうまくいきませんでした。しかし、WindowsにAnacondaを利用してインストールしたら、簡単にインストールできました。

手間をかけずに、WindowsにCUDAを利用するTensorflowの環境をインストールする際には、Anacondaを利用することをおすすめします。